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「しょっぱい夕陽」神田茜を読んだ感想!40代主婦が読んでおもしろかった本

「しょっぱい夕陽」を読んだ感想です。

著者は神田茜さん。

 

 

 

「しょっぱい夕陽」著者の神田茜さんについて

  • 神田茜(かんだ あかね)
  • 1965年7月28日北海道帯広市生まれ
  • 講談師、小説家
  • 1985年に講談師の二代目神田山陽門下に入門
  • 1995年に真打に昇進
  • 2010年に『女子芸人』で第6回新潮エンターテインメント大賞受賞

 

「しょっぱい夕陽」のあらすじ

40代ともなればいい大人で酸いも甘いも知っている。

でも意外と自分のことは、おぼつかない。

 

人生折り返し地点のはずなのに、まだまだ折り返せてなんかない!

48歳年女・年男たちの奮闘を描いた作品集。

 

『小説新潮』『インポケット』掲載に書き下ろしを加えて単行本化。

公務員の佐藤は家を建てたし、息子も立派に育った。

でも、結婚生活20年目にして妻が浮気をしている。そんな中、勤め先の役所に、中学生のとき憧れていた田村和歌子が相談に訪れて……。(「エフの壁」)

 

保育士の媛谷もえぎは、半年前から落語家・春風亭星也に夢中。クレーマーの保護者から理不尽に怒鳴られても、若い保育士に陰口を叩かれても、星也と結婚する日を夢見ていれば、何も怖くなんかない。(「もえぎの恋」)

 

中学校教師の野瀬は元教え子の妻から、家でも「先生」と呼ばれている。ある日の帰り道、卒業生の美和子に鉄パイプで襲われ負傷した。野瀬は女子生徒に恋愛感情を抱かせてしまう自分に思い悩むが……。(「かみふぶきの空」)

 

いくつになっても迷える大人たちのほろ苦い、けれど甘酸っぱい奮闘。

まだまだこれから何かができる。

そう思わされる優しい短編集。

 

話題作『ぼくの守る星』著者による、48歳年女・年男たちの奮闘記。

 

40代主婦が読んでおもしろかった「しょっぱい夕陽」の感想

神田茜さんの本を読んだのはこれがはじめてです。

神田茜さんという作家さんを知ったのも実はこれがはじめて。

 

40代のブロガーさんがおもしろかったというので、読んでみました。

「しょっぱい夕陽」で取り上げられているのは40代の男女がテーマです。

 

同じ世代ということで、読んでいて非常におもしろかったです。

登場人物たちは、リアルでいたらちょっとどうかな?ってタイプの人もいたけれど、

なんとも憎めない。

 

彼らの心の葛藤、揺れ動くさまが丁寧に描かれており、思わず共感、とはいかなくても

「うんうん、そうだよね。」

「そういうことってあるよね」

「そういうときってあるよね」

 

何とも言えない40代のたとえようもない気持ちにうなづいてしまいます。

心の葛藤、奮闘が手に取るようにわかる。

 

彼らの必死さが、がむしゃらに生きている様がなんとも愛しくさえなる。

世間一般では、これがいわゆる中年の危機ってやつなのかもしれない。

 

どのストーリーも物語の一コマの切り取ったような短編集で、そのときの心情に焦点を当てている。

確かに、おもしろい。

 

でも、一つだけ、どうしても続きを読みたくなってしまったのがあった。

それは最初の物語の「エフの壁」

 

自身や家庭とあらゆる問題に向き合った男が、これからを前向きに生きようとする姿が描かれていたが、

正直、いいところで終わってる!

 

いや、いいんだよ。

この短編集の趣旨としては、とてもいいんです。

 

だけど、この物語に関しては、この男がこの後どうなったのかがものすごく気になってしまいます。

もちろん、想像はつく。

 

どの話もネガティブからポジティブに変化していく様を描いているので、きっとこの男の人生もポジティブなものになっていくのだとは思う。

 

でも、この男の人生がどうなっていくのかを、第三者としてもう少し見ていたかったというのが本音。

 

叶うことなら、作者の神田茜さんに続きを書いて欲しいくらいです。

 

「しょっぱい夕陽」はこんな人に読んで欲しいおすすめ本

しょっぱいとは、「塩辛い」、「塩味のする」を意味する方言(関東方言など)です。

また転用により、「情けない・恥ずかしい」「けちな」「嫌な」の意味で使われます。

 

本のタイトルにあるように、まさに「しょっぱい40代の男女たち」

それでも、ひた向きに懸命に生きる姿に「頑張ろうっかな」なんて元気がもらえる本です。

 

40代の人にはぜひとも手に取って欲しい一冊です。

なんだかルーティンばかりで、当たり前の日々。

 

酸いも甘いも知り尽くした身としては、楽しいことなんて今さら何もないかもしれない。

でも、実はそんな日々にもあちらこちらに楽しかったり幸せだと感じるものが転がってたりもする。

 

そんなことにふと気づかされる一冊です。

 

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